省エネルギー

V2Hのメリット・デメリットから選び方まで|V2Hの疑問を解説します

 

V2Hに興味があるんだけどメーカーはどこがおすすめなんだろう?V2Hのメリットだけじゃなくデメリットについても教えてほしい!

 

こんなお悩みを解決します。

 

本記事の内容

・ V2Hとは

・V2Hの仕組みと役割

・V2Hのメリット・デメリット

・V2Hの選び方

・V2Hと蓄電池の併用

 

この記事を書いた人

 

わたしは省エネリフォーム会社で勤務経験があり、V2Hの営業などを行っていました。

そのため、V2Hのメリットだけではなくデメリットについても十分理解しています。

下に目次を作っておりますので気になるところからご覧ください。

 

V2Hとは

説明

V2Hとは「Vehicle to Home(ビークルトゥホーム)」の略で、電気自動車やプラグインハイブリッド車のバッテリーに蓄えられている電気を、自宅で使用することができるようになる設備です。

二酸化炭素の排出と吸収を同等にするという試みである、カーボンニュートラルなどの環境への取り組みが叫ばれる中、世界中の自動車メーカーがこぞって電気自動車へのシフトを進めています。

ヨーロッパ圏で言えば、イギリスは2030年、フランスは2040年までにガソリンとディーゼル車の販売を禁止し、電気自動車に切り替えることを決定。これを受けて日本政府も2035年までに新車販売を電動車のみとする方針を打ち立てています。

このような世界情勢の中、近年急速に普及し始めている電気自動車やプラグインハイブリッド車のバッテリーを有効活用することができる、V2Hにも大きな注目が集まってきています。

 

V2Hの仕組みと役割

仕組み

 

V2Hの仕組みと役割① 電気の変換

電気自動車やプラグインハイブリッド車のバッテリーに蓄えられた電気は、「直流」という種類です。

一方で家庭で使用している電気は「交流」という種類です。

そのため、電気自動車やプラグインハイブリッド車に充電する際は「交流」の電気から「直流」にする必要が、また電気自動車やプラグインハイブリッド車から家庭で使用するためには「直流」の電気から「交流」にする必要があるのですが、この電気の種類を変換させるためにV2Hが必要となります。

V2H

 

V2Hの仕組みと役割② 電気の変換

V2Hの役割は電気の種類を変換させるだけではありません。

V2Hは電力会社から購入する電気や、太陽光で作られた電気を条件に合わせて振り分けることもできます。

太陽光の有無やそれがFIT期間中か卒FITかなど、条件に合わせて運転モードを設定することで、自動的に電気の充放電を制御してくれます。

V2H

 

V2Hのメリット・デメリット

メリット・デメリット

 

V2Hのメリット① 光熱費の削減

太陽光発電がある場合、自宅で使い切れず電力会社へ売電していた余剰の電気を、電気自動車やプラグインハイブリッド車へ充電することができます。

そして太陽光が発電しない夜間の時間帯に、電気自動車やプラグインハイブリッド車に貯めた電気を自宅で利用することで、電気の自給自足が可能となり光熱費を削減することができます。

また、夜間の時間帯が安い電気料金プランに加入している場合、夜間の割安な時間帯に電気をプラグインハイブリッド車に充電し、昼間の割高な時間帯にその電気を利用することで、光熱費を削減することができます。

このように太陽光発電設備の有無に関わらず、電気自動車やプラグインハイブリッド車の電気を賢く充放電することで、光熱費を削減することができます。

 

V2Hのメリット② 充電時間が短い

V2Hは電気自動車やプラグインハイブリッド車の充電時間を大幅に短縮することができます。

通常の家庭用200Vコンセントと比較した場合、最大2倍の速度で充電することができます。

いざお出かけ前に充電することを忘れてしまっていたとしても、素早く充電することができるV2Hは大変重宝します。

 

V2Hのメリット③ 災害時の備え

日本は世界有数の災害大国といわれています。地形、地質、気象条件などにより、地震や台風が発生しやすく、世界的な異常気象による影響も増えています。

直近では下記に示す通り最長で35日もの停電が発生しています。

停電日数

蓄電池の容量が一般的に5kWh~15kWh程度と言われている中、日産のリーフなどであればバッテリー容量が40kWh~60kWh程度と蓄電池と比べ大容量のため、長期間の停電でも安心です。

電気自動車やプラグインハイブリッド車があれば、停電時でも自動車のバッテリーを家庭で利用することができるので災害時の備えとなります。

また太陽光と組み合わせることで半永久的に電気を使い続けることができます。

特に小さなお子様やお年寄りがいらっしゃるご家庭では、もしもの際の心強い備えとなることでしょう。

 

V2Hのデメリット① 初期費用が高い

V2Hは設備費と工事費を併せて初期費用が約100万円以上かかります。

またV2Hを利用するためには、そもそも電気自動車が必要となってきますので、そのことを加味すると初期費用が高いと言えます。

そのため、国や自治体の補助金を上手に活用しながら導入検討すると良いでしょう。

なお令和4年度は国(経産省)より、自動車、V2Hともに多額の補助金が出ますので導入を検討されている方は、予算が無くなる前に早めに検討されることをおすすめします。

環境省HP抜粋

④補助上限額
・電気自動車(軽自動車を除く):上限65万円
・軽電気自動車:上限45万円
・プラグインハイブリッド車:上限45万円
・燃料電池自動車:上限230万円
・超小型モビリティ;定額25万円(個人)、定額35万円(サービスユース)

下記、条件A又はBを満たす車両の場合は、補助上限額が異なります。
《条件》
A.車載コンセント(1500W/AC100V)から電力を取り出せる給電機能がある車両
B.外部給電器やV2H 充放電設備を経由して電力を取り出すことができる車両

・電気自動車(軽自動車を除く):上限85万円
・軽電気自動車:上限55万円
・プラグインハイブリッド車:上限55万円
・燃料電池自動車:上限255万円
・超小型モビリティ:定額35万円(個人)、定額45万円(サービスユース)

 

V2Hのデメリット② 対応車種が限られる

V2Hに対応している車種は限られています。

購入を検討している車両がV2Hを利用できるか確認が必要です。

各V2Hメーカーの対応車種については下記の通りです。

ニチコン デンソー 東光高岳
日産自動車 リーフ
リーフe+ × ×
e-NV200

(バネット)

三菱自動車 エクリプスクロス

(PHEVモデル)

アウトランダーPHEV
i-MiEV ×
MINICAB-MiEV VAN ×
MNICAB-MiEV TRUCK ×
トヨタ自動車 プリウスPHV
MIRAI ×
Bz4x × ×
本田技研工業 Honda e ×
SUBARU SOLTERRA × ×
BYD Auto Industry Company Limited e6 × ×
Hyundai Motor Company IONIQ5 × ×

 

V2Hのデメリット③ 設置スペースが必要

 

V2Hを利用するためには、V2H本体の設置スペースと車両の駐車スペースを確保する必要があります。

ニチコンのEVパワー・ステーションであれば、幅809mm × 高さ 855mm × 奥行 337mmが本体サイズとなります。

ご自宅に十分な設置スペースと駐車スペースがあることを確認しましょう。

 

V2Hの選び方

選び方

 

V2Hを選ぶのであればニチコンのEVパワー・ステーション1択

最初に結論を言いますと、V2Hを選ぶのであればニチコンのEVパワーステーション1択です。

2022年5月現在で、ニチコン・デンソー・東光高岳の3社から販売されておりますが、その価格と性能を考えるとニチコンのEVパワーステーション以外の選択肢はありません。

その理由は下記の通りです。(三菱のSMART V2Hは2021年3月で販売終了)

  1. デンソーのV2H-充放電器はニチコンのOEM品(OEMとは他社ブランドの製品を製造すること)でニチコンより高額であること
  2. 東光高岳のSmanecoV2Hは太陽光発電システムと系統連系できないため、停電時に太陽光発電システムから電気自動車やプラグインハイブリッド車を充電することができないこと

なお、各メーカーの価格については下記の通りです。

 

V2Hと蓄電池の併用

V2Hは前段でもお話しましたが、一般的な蓄電池の容量に比べて電気自動車やプラグインハイブリッド車のバッテリーが大容量のため、それだけで蓄電池の代わりを果たすことができます。

しかし、電気自動車やプラグインハイブリッド車は、通常時はあくまでも交通手段としてメインで使用する方が多いと思います。

日中に車で出かけることが多い方は、太陽光の余剰電力を車両に貯めることができません。

そんな方におすすめなのが蓄電池とV2Hを併用したニチコンのトライブリッドシステムです。

ニチコンのトライブリッドシステムであれば、蓄電池とV2Hを併用することを前提に作られているシステムのため、異なるメーカー同士での蓄電池やV2Hの組み合わせの可否を考えることもありません。

また、トライブリッドシステムでは、異なるメーカーでの組み合わせのように、電気の変換時の変換ロスがありません。

蓄電池とV2H、それぞれの機器に電気を移動させる際に、電気の変換をほとんど必要としないのでムダなく電気を使うことができます。

そのため、V2Hと蓄電池の併用を考えている方は、ニチコンのトライブリッドシステムをおすすめいたします。

 

まとめ

まとめ

本記事では、V2Hのメリット・デメリットから選び方まで、V2Hの疑問について解説いたしました。

V2Hについてはデメリットもありますが、それを大きく上回るメリットもあるため、導入を検討している方はまずは見積もりをとってみることから始めてみましょう。

今回はこの辺にしておきます。

 

最後に、おすすめの無料一括見積りサイトをご紹介しておきます。

約1分の簡単入力で複数社に見積もりを依頼できますので、気になる方は下記からどうぞ。

 

・ハピすむ|サービス満足度94%の優良サイト
約1,000社からリフォーム会社を比較。地元のリフォーム費用がすぐにわかる。

・リショップナビ|累計利用者数25万人、月間利用者数5,000人の実績
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  • この記事を書いた人

くろしば

キャンプとお酒大好き女子
趣味のキャンプの話を中心に
"シンプルに判りやすい記事"
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